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No.70
2013/11/09 (Sat)

システィーナ礼拝堂500年祭記念 ミケランジェロ展―天才の軌跡

 
2013年9月6日(金)~11月17(日)
http://www.tbs.co.jp/michelangelo2013/

先に書いておきます。
地味です。

極度なミケランジェロマニア、システィナ礼拝堂マニアにしか楽しみにくい
内容だったのではなかろうか。

ただ2点、素晴らしいものがあったので、ミケランジェロフリークではない人はそこにどれだけの価値を見いだして行くかという事になろう。




霊廟彫刻や、壁画や建築など、代表作が動かせないものばかりのミケランジェロ、果たしてなにが展示されてるのか?
見る前の感想はそれだった。
移動できそうなものは素描くらいしかない。
しかし大量にあったであろうミケランジェロの素描、特にシスティナ礼拝堂用の素描は本人が焼いて処分している。

というわけでその時焼かれなかった残りの素描がきていた。
他に手紙、契約書、設計図。
弟子のデッサン練習の上に遠慮なくかかれた契約書の下書き等。

 最後のはちょっと笑えたけど、おしなべて地味である。
そして例によってそれらの展示への解説が少ない。
なので作品がなぜその並びになっているのか素人には理解できない。

こういう資料的な展示は解説いかんで劇的に面白いものになるのだが、それが全く感じられなかった。

音声解説にはあるのかもしれないが… 音ほんと邪魔なんで、文字解説文書だしてほしい。音声と同じ500円払うから。切実。(それ以前に観覧料に説明は含まれてないという昨今の風潮に危惧を感じる…)



そして良かったもの2点。

クレオパトラ図。
これはプレゼントとして描かれたそうで、他の素描とは明らかに質の違うものである。
質の違い、それはこの素描に限っては完成作だからだと思う。
ふわ〜っと描かれた素描群の後、この絵を見ると彼の本気はやはり別の次元にある!と思わせるくらい別物だった。圧倒である。
くわえて面白かったのは、裏にこの図の反対の意図をこめた絵が重ねて描いてあった。
裏が見えるように展示してあって、この表と裏を行ったり来たりするのに忙しかった。

そしてもう1点。
ポスターにもなっている「階段の聖母」レリーフ。
レリーフなのに奥行きを感じる。背景との奥行きだけではなく、人体の奥行きが見事に表現されている。
15才時の作品。おそろしいガキである。実際おそろしい芸術家に成長したのだから、すごい人は最初からすごいのである。という実感する作品であった。
 
しかしやっぱりミケランジェロは彫刻の人だよ…もっと見たいよ…
「ならば現地いけ」
というメッセージなのかもしれない今回の展示。

いずれにしても「一見さんお断り」感のある展示でありました。



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