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オタクらくがき・感想等を徒然に 感想はネタバレまくりです  本サイトが更新できない今、実質ここが本サイト(笑)
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2024/11/22 (Fri)

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No.61
2008/11/29 (Sat)

雨でお仕事が中止になったので、なかば観覧を諦めていた西美の美術展にいってきました。





ヴィルヘルム・ハンマースホイ展

会期 2008年9月30日[火]−12月7日[日]
会場 国立西洋美術館
http://www.nmwa.go.jp/jp/



息を止めて静謐さを見守るような、色のない世界。
人の気配のない建築物、人の生活の痕跡のない殺風景な部屋。
人が描かれていても、それは墓石のように見え、生につながらない存在に感じる。


作者自身が、描かれた世界から隔絶されることを望んでいるような世界だった。

その静謐さを幻想的として楽しむか、拒絶ととるかでこの作家への感想は変るように思う。



私自身は、ハンマースホイの妄想ぶりは、イタいヲタクと同様の現実逃避だなーと思って観ていた。
もしくは異様にナイーブな人の観る幻想世界か。
ナイーブというには刺々しい構図でもあるので、ただの引きこもりとは思わないけど(笑)。
あまりいいことではないが、「人のいない部屋」という共通項があったせいで、アンドリュー・ワイエス展と比べながら観てしまったせいで辛口になっているかもしれない。
ハンマースホイを観ている間中、ワイエスの素描がものすごく恋しくなったのだった。


先に感想の結論を述べてしまうと、ハンマースホイの世界は手法として面白いし、幻想的で美しいが、私には興味のない世界観だった。





あ、あれに似てる、フランスの作家ユイスマンスの小説のような、世界とのつながりを断って幻想の世界で生きたいぶりに似た印象がある(なんだその日本語・笑)。

もしくはエヴァンゲリオンでいうところのATフィールド内絵画(笑)。


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No.17
2008/11/22 (Sat)

観て損はない、というか絵に興味があるならぜひ観て欲しいと思ったワイエス展。
絵を描く、という行動がどういうものなのか、ひとつの形をみせてくれている。
絵を描く人は『絶対』観ておいた方がいい。


アンドリュー・ワイエス展

2008年11月8日(土)〜12月23日(火・祝)
10:00-19:00(金、土曜日は21:00まで 入館は閉館の30分前まで)
会  場 Bunkamura ザ・ミュージアム
休 館 日 展覧会開催期間中無休
観 覧 料 一般 1400円(前売 1200円)

《巡回展》
・愛知県美術館   2009年 1/4(日)〜3/ 8(日)
・福島県立美術館  2009年3/17(火)〜5/10(日)


http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/08_wyeth/introduction.html






現代アメリカ絵画の筆頭ともいえるワイエス。
齢91才にしていまだ健在であり、創作活動は衰える事がない。
彼の視線には若い頃から透徹したモノを感じる。


ほとんど同じ場所、同じ人物達とすごしているワイエス。
それゆえに、視線は詳細に風景をとらえる。
それを執拗に描写していくのは、対象に並々ならぬ愛がなければ成し遂げられない。
どれほど荒涼とした風景であろうとも、その先になにかが息づいているように見えるのは、世界が内包している奥深さを捉えられるからだと思う。
それが見えるからこそ、鑑賞者に感銘を与えるのだ。



久しぶりに、観賞していて涙がでそうだった。
今まで古典ばかり観てきたが、もっと昔にきちんとワイエスを観ていたら、絵に対する方向性も変っていたかも知れないとすら思った。
逆に、今だからこそ感じる事ができたのかもしれないが。

No.14
2008/11/01 (Sat)

もう会期もこの後の回覧も終了(海外ではまだ回るらしい)した美術展。
自分メモとしてアップ。



この展覧会の鑑賞に関しては、体力の都合でとてもざっくりみた。
なので一枚一枚に思いをはせるというより、全体の印象が残っているに留まっています。

そして展覧会の概要と最後の方は絵画論?みたくなってしまったので、あまり感想ともいえない内容になっています。




ジョン・エヴァレット・ミレイ展

http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/08_jemillais/index.html

2008年8月30日[土]-10月26日[日]
Bunkamuraザ・ミュージアム




この作家の作品でもっとも有名なのは死せるオフェ-リアだ。
浴槽に水を張り、その中にモデルをいれて、始めは湯だったものが冷えて水になり、モデルはその冷たさに蒼白となったノというのを見て描いたと言われている。

とにかく画面からうける印象は輝くようにうつくしい。
視覚にするっと入ってくる、目を引く美しさ。
描かれている人物の思わせぶりだがわざとらしくない表情。
そこに載せられたハッとするような主題。
細部に目を向けると、画面の隅々まで書き込まれた凝縮された画面。
それでいて壁にかけておいても邪魔にならない適度な引き加減。
ここがこの作家のキモかもしれない。


非常に緻密に画面を埋めていく画家であり、一見古典的にみえてその古典から離れようとノ超えようとした画家でもある。
いままでひとつふたつを他の作家にまぎれて見ていた時には気が付かなかったが、まとめて大量に鑑賞すると、この作家は案外あざとい商業作家だったことに気がつかされる。
そしてそれは伝統主題の縛りをとりはらった、イラストレーション時代への黎明であるようにもみえた。
ある意味、現在の絵画への道筋をつくった人なのかもしれない(それに関しては後述)。


そのせいかはわからないが、彼を有名たらしめた数々の人物画より、展示最後の晩年の風景画が非常に印象に残った。
オーダーから離れて描かれて、それゆえ作家の心境がそこに映っているようにみえたからだろうか。




No.12
2008/10/20 (Mon)

尾形光琳生誕350周年記念
期日…2008年10月7日(火)〜11月16日(日)
東京国立博物館
http://www.rinpa2008.jp/




宗達と光悦の同時代人・尾形兄弟・酒井抱一と鈴木其一の師弟、といったくくりでまとめられた展覧会。
今まで見た中で、抱一がこれほどあつまっている展覧会は初めてだった。
抱一を愛している私にはウハウハもの。

そしておおまかに琳派の流れがわかるようにできている展示列。
しかし的を絞りすぎた展示内容のせいか、「『大』琳派」と名付けるのは少し苦しい気がしないでもない。
だが展示内容は悪く無い。
…照明は大問題であったが。
金が金にみえず、ただの黄土色になっていた。
輝きがあってこそ意味のある金箔背景なのに、どの角度で見ても輝きがないのだ。
金箔が輝いた時、その面は広漠とした空間になり、描かれた対象が立体として浮かび上がってこその金箔貼りなのに、それがまったく無視されている。
この照明は最悪といっていい。
昔の東博の蛍光灯照明の再来じゃないか!
最近展示プロデューサーががんばってるから期待してたのに。




気を取り直して。

この展覧会のおおまかな流れを説明するならば、

・宗達、光悦によるシンメトリーではない大胆な空間表現で琳派的なモノが始まる
・尾形光琳により、その空間表現にリズムがあらわれる
・風雅と枯れの表現を抱一がもちこむ
・それらをすべて飲み込んだ其一が、次の時代へつなぐ

そんな構成だった。


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